後悔しない腕時計の選び方-機械式腕時計をもっと知る1-

後悔しない腕時計の選び方-機械式腕時計をもっと知る1-

前回はクオーツ式腕時計の歴史や魅力、欠点までお届け致しました。

今回からはいよいよ、腕時計のよりディープな世界をお届け致します。

「機械式腕時計」

こちらをしっかりと解説してまいります。

機械式腕時計の歴史を学ぼう

時計の小型化は18世紀から少しずつ始まった

時計の小型化が始まったのが、18世紀~19世紀に掛けて。
今まで手持ちランプ程度の大きさがあった時計が、
今でも利用されている懐中時計程度の大きさまで小型化される事になります。

これには、今まで振り子の等時性だけを利用していた時計が、
ぜんまいとてんぷ、そしてより正確に時を刻む為に必須な調速機と脱進機が発明された事で
正確性と小型化が同時に成し遂げられました。

腕時計が誕生したのは19世紀後半

腕時計が誕生したのは、諸説ありますが概ね19世紀後半から。
戦争を切っ掛けに開発と研究が著しく進む事になります。

1900年に入る頃には、現在使われている腕時計とほぼ変わらない形にまで進化を遂げます。

因みに日本ではSEIKOが、日本初の腕時計、「ローレル」を1913年に発売し、
本格的な腕時計造りがスタートします。

機械式腕時計の仕組み

こちらも、専門的な事は出来るだけ省いて解説します。

機械式腕時計は、その名の通り、機械仕掛けの時計。
ぜんまいを巻き上げ、そのぜんまいが解ける力を利用して、針を動かします。

機械式腕時計で最も特徴的なのが、コチコチと音を立てて動く脱進機と、
それを調整する為に世話しなく往復運動を繰り返す調速機です。

こちらの商品をご覧ください。
丁度時計の文字盤9時方向(画像左側)にあるのが、調速機と脱進機です。
脱進機は、小さいながらも音を立てて動くので、
耳を当てれば機械式腕時計ならではの心地よい時を刻む音が聞こえてきます。

動画の方がより判り易いかもしれません。

調速機が無ければ、ぜんまいはあっという間に解けてしまい、腕時計として機能しません。
また、脱進機が無ければ、腕時計は正確に時を刻む事すらままなりません。
調速機と脱進機こそ、機械式腕時計の心臓部であり、最も重要な部分なワケです。

機械式腕時計の魅力

デザイン性・装飾性の高さ

機械式腕時計は総じてデザイン性、装飾性に優れた製品が多く、非常に多様です。
特に針の太さや種類、文字盤のデザインは、クオーツ式腕時計と比べると本当に多彩です。
また、価格が上がれば上がる程、宝飾性に富んだ製品も増え、
美術品や工芸品としての価値も飛躍的に高まります。

これは、時計そのものの価値が高い機械式腕時計ならではの特徴です。
そもそも、機械式腕時計は中の機械自体、手作業で作られている事が多く、
その機械自体の価値が優れている時計も少なくありません。
その価値を更に高める為に、様々な装飾が施されている事が多いのです。

例えば、先程取り上げたこちらの時計は、「フルスケルトン」と呼ばれ、
中の機械をほぼ全てその目で見る事が出来ます。
これは、秒針以外の動きがほぼないクオーツ式腕時計には不向きであり、
針や歯車、そして脱進機、調速機が常に動き続ける機械式腕時計だからこそ出来る装飾だと思います。

また、拡大して見ると各パーツに様々な模様が付いている事も判ります。
「ペルラージュ」と呼ばれる円形の模様で、こちらも機械式腕時計ならではの装飾になっています。

折角ですので、今回は幾つかその装飾をご紹介致します。

こちらの時計中央に、良く見ると凹凸が細かく刻み込まれているのが判るでしょうか。

文字盤の代表的な装飾「ギョーシェ」です。
本来の役目は、光の反射の防止や、時計を小さく見せる為の工夫だったのですが、
現在はどちらかというとデザイン性の高さで採用される事が多い装飾です。

また、こちらの時計にはもう1つ、ほぼ機械式腕時計でしか見られない装飾があります。
注目すべきは針の「色」
この青色は金属を一定の温度で焼いて出す天然の色あいで「ブルースチール」と呼ばれています。
見た目が美しいだけでなく、防腐、防錆性が高まる為、高級腕時計では良く使われる装飾です。
この現代でも機械による量産はほぼ不可能であり、また、技術面でも相当の腕がないと作り出す事が出来ず、
正しく高級腕時計の代名詞とも言われている装飾の1つです。

更に、写真からはご覧頂けないのが残念なのですが、時計側面には「コインエッジ」と呼ばれる、
100円や10円硬貨に似た、ギザギザの模様が入っています。
ブレゲと言えばコインエッジと呼ばれる程、このブランドには欠かせない装飾の1つとなっています。

こちらは画像だと判り辛いですが、文字盤の針の付け根部分に凹凸がある事が判りますでしょうか。
これは「琺瑯(エナメル)」装飾です。
ホーローと言えば、よくお鍋の種類で聞いた事があるのではないでしょうか。
独特の艶と質感が魅力であり、技術的にもかなり優れていないと出来ない文字盤です。
因みに、このSEIKO「プレザージュ」の琺瑯ダイヤルは、
コストパフォーマンスが高く、装飾性も素晴らしいと海外メディアでも絶賛された程の腕時計です。

機械式腕時計の魅力はまだまだあります!

今回は機械式腕時計の歴史、仕組み、魅力の一部をご紹介しました。

デザインや装飾の名前や種類は知れば知る程奥深く、
各ブランドやシリーズによって同じ装飾でも全く違う事に気が付きます。
そうすると、自分の好みも段々と判り、新しい時計を買う時に漠然とする事なく、
より長く使いたい、愛情を注げる腕時計に出会う事が出来るかと思います。
デザインに関しては、このシリーズが終わり次第、特集したいと思います。

次回は、更なる機械式腕時計の魅力を、よりディープにお届け致します。

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